走って転んで立ち上がって

寂しさの紛らわし

海外就職の闇~日本への執着をなくそう~


ショックな情報を知ってしまった。

私が初めてベトナムへ来たときにベトナムを案内してくれた人がもう仕事を辞めて、

日本へ帰ってしまったというニュースだった。

 

私はベトナムで働くと決めた2か月前に東南アジア周遊旅行をしていた。

それまでに東南アジアは一度も行ったことがなく、自分がどの国で働けるのか視察のために周遊した。

(この件については追々別記事でまとめたい。)

 

その際にエージェントから各国で働いている人々を紹介してもらったのだ。

 

ベトナムで案内してくれたその人は現地採用の方で、当時ベトナム在住歴が3か月ほどだったと思う。

夕食でローカルな食堂に行ったことを覚えている。

とてもおいしくて、たくさん頼んでしまった。

ぜひベトナムで会いましょう、と言っていたその人は日本に帰ってしまった。

 

私にとっては当時憧れの海外就職者であったし、とても充実しているように見えたのに。

色々事情はあるだろうが、知っている人が海外生活を辞めて帰国してしまったという事実が恐ろしかった。

 

今回は私が実際に接した人だったのでショックが倍増だったが、

私が知らないところで、何人もの人が海外就職を夢見て辞めて帰国している現実がある。

結局自己責任論を言われてしまうのかもしれないが、辞めた後のことは自分で考えるしかない。

 

私は今のキャリアのまま帰っても日本で職にありつけるとは思えないし、友人たちにあんなにも夢いっぱいに説明した後なので、彼らにも示しがつかないと考えている。

 

とにかく、最悪の事態を避けるためにも海外生活をどのように過ごすべきか今一度考えた。

最近ブログを放置気味だったが、このショックな出来事からまた筆が進むようになったので、記事を書く。

 

まず、海外生活における不安点はなんだろうか。列挙してみる。

 

食事

住居

言葉

気候

文化

人間関係

仕事

 

大体項目としてはこんなものだろうか。

この中で特に悩みとして重症化しやすいものは、

 

文化

人間関係

仕事

 

ではないだろうか。

食事や住環境はまだ、選択肢があるように思う。

ホーチミン市に限って言えば、ありとあらゆる種類の飲食店があるし、イオンも3店舗もあるのだから、食事や物資について悩むことは少ない。

 

住居も家具付きのサービスアパートメントがほとんどなので、大掛かりな引っ越しは必要としない。

どうしても耐え切れない部屋であれば引っ越しも難しくない。

 

言葉は飲食店ではメニューを指させばいいし、店で買い物するときだって、レジを見れば金額がわかる。タクシーに乗る時のほんの少しの単語を覚えておけばものすごい不便を感じることは少ないだろう。

若いベトナム人であれば、英語も話せる人も多いので基本的な英単語がわかれば意思疎通も可能だ。

 

気候は一年中温暖。暑い。暑さが苦手であれば過ごしにくいと感じるのでやめた方がいい。

ただ、猛烈な暑さというわけではないし、室内は冷房が効いていて過ごしやすい。

 

文化については、ベトナム人は自己中だと感じる。

他人に対する気配りというものはあまり感じられない。

また非常に面倒くさがりだし、間違いに対して言い訳が多い。

行き当たりばったりで計画性は皆無である。

日本人からしてみるとこのような性質がイライラするかもしれない

ただ、彼らは細かいことは全然気にしないので、

日本のように変に気を使って神経を擦り減らすということは少ない
 

要求ははっきりとしつこいくらいいえば、面倒くさがりながらもやってくれる。

また、高性能な機械のような性質なので指示したことは早く完璧にできる

いちいち指示することは億劫だが、指示内容の対応の速さと正確さには舌を巻く。

いえば、指示したこと「しか」やらないのはもはやベトナム文化というべきか・・・

あと日本は形式ばった処理が対応の遅れにつながるが、こちらはそういう概念がないので臨機応変に対応できるのも魅力的だ。(ベトナム人の詳しい性質についてもまた別記事にまとめたい)

 

人間関係については、これは結構ヘヴィな問題だ。

日本人コミュニティについては散々ブログで書いたように狭い。圧倒的密度と狭さで人類みな兄弟的な芋づる式人間関係だ。必ずどこかで繋がっている。

日本以上に村社会な部分があるので、変なことはできないと思う。

 

こちらにいる日本人たちはみんなラフで細かいことを気にしない。

少々ナイーブで人見知りだったり(この私もだが)すると、彼らの明るさに頭を悩ませるかもしれない。

私が感じる不安や恐怖をこの人たちに話したところでわかってもらえるのだろうか。

私はよく考える。

たぶん、もしかしたら明るく見える彼らにも苦悩があるのかもしれないが、私のように考えすぎるタイプには吹っ切れや図太さがイマイチ足りないのかもしれない。

そうは言ってもこんな性格で陰キャラ素質なのは変わるまい。

太陽にはなれないかもしれないけど、月にはなれるんじゃないか、とも思う。

いわゆるパリピやポジティブシンキングとは対比した人間だが、このベトナムにも私と同じような人間がいるとしたら、是非会いたい。

そして、最後に仕事だ。
海外で仕事を探すにはエージェントの手助けが不可欠だ。
エージェントが提示してくれた求人から書類選考、面接を経て採用が決まる。
私が一番就活で重要視したところは、面接をしてくれた人(大抵部長や社長のところもある)と働きたいと思えるかどうかだった。
質問でよく未来の構想を聞いた。また、現地人との接し方で気をつけていることも聞いた。
やはり言い方だったり、部下へのマネージメント方法を聞けばその人たちがどのように私を扱ってコミュニケーションをしてくるか大体分かる。
面接した中には高圧的な態度を感じることもあったし、欠員補充のような扱いできちんとマネージメントしてくれるようには感じられなかった会社もあった。


一番いいのは現地に出向いて会社を見学させてもらうことだ。
特にベトナムSkype面接でほとんどが完結してしまうが、現地に行くと伝えれば面接の日程を組み込んでくれることが多い。
企業にとってもせっかくコストを割いて採用するのだから、実際に会って決めたほうが確実なのだ。
だから、求人は妥協しない方がいい。条件はある程度妥協しなければならないこともあるだろうが、
一緒に働く人たちに妥協してはいけないと思う。
それは仕事を長く続けられるためでもあるし、自分が成長するためでもある。
私は運良く自分に合った会社と出会うことができた。
直属の上司と社長に対して信頼しているし、彼らの構想や意見についておかしいと思ったことはない。
彼らの下で精一杯働きたいし、社長の構想を実現させたい。
この人たちと働いていたいと本気で思っている。それは半年経った今でも変わらない。
入社してからタイミングってあったんだなあと思った。
運や相性、タイミングの善し悪しは絶対にある。
抽象的な書き方で申し訳ないが、とにかく嫌な感じがするところ、トップの構想や意見に賛同できない場合その会社に
入社するのは辞めた方がいい。
仕事への充実度によっても精神的な負担は変わってくるので、生活云々よりも仕事について重要視した方良いと思う。
 

 

最近はネットの世界に入り浸っていることが多い。

ネットの方が話が合う人が多いと感じる。居場所ができつつあることが嬉しいし、安らぎでもある。

心の機微がわからない人とは友達になれない。

本当は人脈つくりをして色んな人にも会いたい。

ただ、人に会うことも疲れてしまって引きこもりがちになってしまう。

引きこもりを防止するために、語学教室とジムに通い始めた。

とにかく部屋の外に行かなければならない用事を作ることは大切だと思う。

部屋に一人でいると、ぐるぐると色んなことを考えてしまって精神衛生上よくない。

 

・自分の居場所を作ること(存在意義を感じられること)

・強制的に外に出るような仕組み

以上のことは今後も注意していきたい。

また、海外で適応するにあたって、日本人は特に適応能力が低いと感じる。
それは日本が世界の中でも特に先進国で快適な国だからだ。
日本以上に清潔で、便利、サービスも至れり尽くせりの国はないと思う。
だから、日本以外の国に行こうと思う人は少ないだろうし、海外に来た時に日本と比較してしまうのだ。

日本に帰国するくらい追い込まれる事情は色々あるだろうが、その1つは日本への執着があるからではないだろうか。
結局祖国は一番なので、祖国に勝る国はそうそう見つからないだろう。
日本が大好きで、日本に対する執着が捨てきれない人は海外に来ても帰国する確率が高いと思う。
日本はこうなのに、ここでは~だったと比べてしまうと大変ストレスになってしまう。

何か猛烈に日本に帰りたくなる要素はあるだろうかと自問自答する。
正直私は、現状で日本に帰ったとしてもまず職が見つからないと思っている。
見つかるかも知れないけれども、条件は今よりも確実に悪くなるだろう。
次に家族とは色々訳あって疎遠であるし、日本の友人たちもいるけれども、私が連絡しない限りは集まらない。

つまり、日本に帰っても居場所がないのだ。
 
日本に帰っても地獄ならこっちで不満のない職場で働いていた方がマシである。
そんな気持ちで私は海外生活を送っている。 
例え日本で一人暮らしをしていても寂しさがなくなるわけじゃないし、日本のネガティブキャンペーンなニュースを毎日聞くよりかはこちらでのある種刺激的な生活していた方が人間らしい生活が送れるんじゃないだろうか。

とにもかくにも、日本に帰っても何も残らない現状では日本に帰る選択肢はない。
あがいてもこちらで実績を作るしかないのだ。

よく、海外就職はすごいですねと言われるが海外に対するハードルは昔に比べてかなり低くなった。
インターネットに世界中の宿が取れる宿泊サイトがたくさんあるし、航空券だって今やe-ticketだ。
Google Mapsも発達して3Dで地図が見られたりする。
ワンクリックで海外に行ける時代になった。
あとはやる気だけだ。

10年前に海外就職しろと言われたら、私は絶対に出来なかった。
これだけネットが整備された今ならやろうと思えば誰だってできる。
今後、日本は人口減で超高齢化社会に突入していく。
今までの生活を維持していくことが困難になる。

すぐそこまでそのような未来が迫っているのに、意識だけは全然変わらない。
みんな薄々感じているのに行動には結びつかない。

ほんの少しでいい。無為な時間を過ごしているなら環境を変えてみませんか。

日本で海外就職がスタンダードになる時代が来ればいいなぁと願ってやまない。