走って転んで立ち上がって

寂しさの紛らわし

ベトナム U-23サッカー決勝戦で会社が休みになった話

27日土曜日、突然会社が休みになった。

なんでも、U-23 サッカー大会の決勝戦があるのでみんな観たいという。

そのためだったら、会社を休むことも厭わないらしい。

 

私が勤めているのは工場なので、稼働日にもかかわらず従業員が多数休まれてしまっては困る。

ということで、27日は他の非稼働日と振り替える形で会社が急遽休みになった。

 

私は土曜日も出勤する気満々だったのに、拍子抜けである。

それにしても決勝戦があるから会社休みますとは、本当にすごい国民性だ。

日本だったら張っ倒されるんじゃないか…いや、ここは越南だ。

 

そういえば、23日の準決勝もすごい盛り上がりだった。

17時に終業するやいなや、帰りのバスの中で大音量のラジオ実況を垂れ流し、

戦況に一喜一憂するベトナム人たち。

通りのカフェでは道端にあふれんばかりのバイクがとまっており、中でたくさんのベトナム人たちがテレビ画面に群がり固唾を飲んで見守っている。

 

私はサッカーに全然興味がないので、(ものすごい盛り上がりだな~)と他人事だった。

結果、準決勝を勝ち上がりベトナムは決勝に進むことになった。

家に着いた頃には決着がついていて、ベトナム国旗を持ったバイクの若者たちが大声を上げながらブンブン乗り回していた。怖い。

 

決勝戦当日はというと、街は真っ赤でベトナムの国旗を模したTシャツと顔にシールを貼った人々が多数いた。

街が荒れると領事館からも注意報が送られていたので大渋滞が予想され、私はその日必要な食料を街で買いこんで足早に帰宅した。

それから一歩も外に出なかったが、外の静まり具合や騒ぎ具合から戦況が判断できた。

 

翌日家の前の通りにはスパンコールが散乱しており、準優勝の宴の様子を窺い知ることができた。

そして月曜日。

何事もなかったかのようなベトナム人。盛り上がりも一瞬であれば静まりも早い。

準決勝までの勝ち上がりは史上初の出来事だったし、街で誰かと観戦する楽しみ方もありだったのかなとちょっぴり思った。