走って転んで立ち上がって

寂しさの紛らわし

久しぶりにベトナム人の優しさに触れた話~見ず知らずの外国人の頭の虫を取る~  

 

仕事終わり、近くのローカル飲食店でいつも通りに夕食を取っていました。

食事をしているとマネージャーらしき女性スタッフがやってきて、

私にスマホの画面を見せました。

 

そこには「あなたの頭に虫がいる」と英語で書いてありました。

何やら取るようなジェスチャーをされたので、

何か止まっているのかなと思い、はい、どうぞと言いました。

するとトイレに案内すると言われ、”大きい虫が付いているのかな…”と一気に不安になってきました。

 

頭を屈ませるとそのベトナム人が髪をすいて虫を取ります。

ん?大きい虫ではないのかなと不思議に思いました。

終わったかなと思い腰を上げるとNo No! と言われまた屈んだままの体勢に。

 

そして、取っているものを見せてもらうとなんと数ミリの白いうにょうにょした幼虫らしき虫が!!

え・・・マジで??と目を疑いました。

それも一匹どころではありません。5, 6匹ほど取られました。

 

ショックでした。

職場では何も指摘されませんでしたし、よりによってレストランの店員に言われるとは思いもよりませんでした。

しかも見ず知らずのベトナム人に髪についている虫を取ってもらうなんて。

そのマネージャーは他の店員が私の頭の虫に気が付き、報告してきたと言いました。

そして、見ず知らずの外国人の頭の虫をわざわざ取ってくれたという…

ちょうど耳の後ろにいたようで、私は痛くもかゆくもなく全く気が付きませんでした!

しばらくはここの店で食事を取れないですね…恥ずかしいです。

 

1人暮らしでは頭の後頭部はなかなか自分で確認できないので、盲点でした。

何度も言いますが、日本ではもし他人の頭に虫がいたとしてもとてもじゃないですが指摘できないですよね。

しかも、取ってあげるなんて絶対しません。

 

前に別のローカル料理店でも私が香草を避けてもやしだけを食べていると、となりのベトナム人のおじさんが

もやしだけを別皿で注文してくれました。

これも何も依頼していないのに隣で見ていたおじさんが注文してくれたのです。

久しぶりに一歩間違えるとおせっかい、上手くいくと親切で優しいベトナム人の特性に触れた気がします。

 

 

全部のチェックが終わって急いで店を出た後に原因を考えました。

なぜ今になってこんな虫が髪の毛にいたのか。

どこで虫は髪についたのか。

職場で毎日ベトナム人たちと至近距離で話しているけども全く指摘されなかったし

ましてや日本人からもそんな指摘もなかったし、通っているベトナム語教室でもそんな指摘はなかったし…

自覚症状も全くなく、原因がわからずさらに不安になりました。

というかこの虫はなんなのだ?それすらよくわかりませんでした。

 

ここはベトナムであり、ありえない予想外のことはたくさん起こります。

考え得る原因としてはGrabバイクの共用ヘルメットの可能性です。

不特定多数の利用者が使うバイクタクシーならあり得る話です。

私は今まで散々バイクタクシーを毎日のように利用してきましたが、

このような事態になるのは初めてです。

 

しかし、この日はGrabバイクには乗っていません。

あとは高い木の近くを歩いて店に行ったので風も強く煽られて私の髪の毛に付いたか?

いつから虫がいたのかすら全くわかりません。

 

さらに頭にこんなに虫がいたのは初めてでケジラミになったこともないので、

これがケジラミかどうなのかもよくわかりません。

 

自己判断ですがとにかくまだ虫がいたら困ると思ったので、

薬局でケジラミ駆除シャンプーを購入しました。

卵が産まれていても困るので目の細かい櫛を探しましたが、こちらは見つかりませんでした。

仕方ないのでコンビニでまあまあ細かい櫛を購入しました。

 

 

ケジラミ用シャンプーの色は赤くて少し水っぽかったです。

結構な赤みなので見た目の毒々しさが嫌でしたね…

とにかくこれを頭にもみ込みます。

そして、泡立てた頭のまま5分ほど置きます。

 

その後よく洗い流します。

結構泡は立ちやすくもこもこになりました。

泡のまま5分ほど放置することによって、虫は死ぬらしいです。

よく洗い流すと髪の毛がギシギシに…

やはり不安だったので、ケジラミ用シャンプーの後もいつものシャンプーを3回しました。

そしてリンスをつけて終了。

 

気が済むまで洗ったつもりですが、不安でなりませんでした。

ネットにあったケジラミの卵を参考にできる限り探して見てみましたが、それらしきものはなく…

見落としが怖いので櫛で何度も髪の毛を梳かしました。

 

よく見てみると自分の髪が傷んで毛先が白くなっており、一瞬卵のように見えて嫌でした。

頭皮近くや根元も確認してみました。

さすがに後頭部はよく確認できず、1人暮らしの辛さが身に染みました。

 

翌日信用できるベトナム人スタッフに頼んで髪の毛や頭皮を確認してもらいましたがそれらしきものはないとのこと。

会社のベトナム人たちはケジラミになったことはないようで、事の顛末を話すと信じられないというような顔をされました。

 

このシャンプーで2,3日洗髪し、1週間ほど頭の様子も見ていましたが、

どうやらケジラミではなかったようです。

その時何らかの原因で虫が頭についてしまったみたいです。

 

ショッキングな出来事でしたが、こうやってきちんと指摘してくれるのはベトナムならではだと思いました。

ベトナムにいて、理不尽なことがしばしば遭っても、こういう優しさに触れるとあぁベトナムに来てよかったなと思うのです。