ベトナムの病院の適当さ~来越後の体調変化記録とともに~
ベトナムに来てからまだ一か月も経たないころは、体調不良が頻発に発生した。
日本人はベトナムの環境に順応するのに、このような体調不良の洗礼を受けるらしい。
私だけこんなに体調不良なのかと思っていたが、よくよく在越日本人に聞いてみると来越初期は食事ににあたったとか、鼻水・咳が止まらないとかの不調に悩まされるのがスタンダードだという。
私も来てすぐの頃は呼吸器官の調子が悪く、喉の奥がイガイガして、変な咳が出た。
ついには原因不明の熱が出て…入院の話になるのだが、外資系病院といえども適当さにびっくりしたので、以下は体調の変化とともに病院について語りたいと思う。
来越2週間目。
風邪をひく。喉が痛くて微熱が出る。
便秘と下痢を繰り返す。
来越3週間目
土曜の夜に物凄い熱が出る。
しかし、身体の異常はない。(喉の痛くないし、お腹も痛くない)
熱しかないことが奇妙すぎるし、寒気がするのでウェルビーに電話して急遽病院へ。
ベッドで少し休んでいると、色々検査すると言われて採血、エコー、MRIを撮られた。
採血に至っては私の腕の血管が見えにくいのか、何度やっても針が刺さらず、
両腕の色んなところをブスブス刺されるし、挙句の果てに針で刺してからグリグリと押し込まれ、あまりの痛さに泣いた。
成人を超えて採血ごときで泣くとは思わなかったが、
熱に侵され、原因もわからず不安なところに下手くそなベトナム人看護師が針でグリグリしてくるのは辛抱たまらず、痛さや腹立たしさ、悔しさが入り混じって泣いてしまった。
結局その看護師は私を採血できず、他の諸々の検査をしてからと言って諦めた。(のちにベトナム人医師が採血してくれたが、グリグリしたところは青くてひどいうっ血が現れた)
そしてなぜか鼻歌を歌いながら車イスに乗せた私を結構な速さで押していく。
乗っている私からすれば体感速度が速く、カーブも急に曲がるため酔いそうだった。
ここらでイライラというかなんかもう疲れていた。
MRIもブッカブカの撮影着に着替えされられ、これは下手すると見えてしまうという不安に駆られながら撮影をし、エコーはやたらとジェルをお腹に塗られて、押し付けながら移動させるもんだから吐きそうだったし、不愉快極まりなかった。
産婦人科系のプライベートな質問に答えていると医療通訳のベトナム人が「あら、珍しい!」などといちいちコメントするので、あんたに言われたくないわと心の中で毒づいた。
最終的にはこんなに検査したのにもかかわらず、明確な原因を特定できなかった。
唯一の異常は白血球の数が増えているとのことで、体の中に菌が入ったから熱が出た、とだけ報告された。
腑に落ちない検査結果だったが、海外生活で体が頑張って適応しているんだなと無理やり納得した。
それから帰宅できると言われ、手続きをするために受付で書類にサインしていると、
頭が急にぐらつき始め、体に力が入らなくなりその場で崩れ落ちてしまった。
ビックリした医療通訳に支えられたが、このままでは帰宅できないとのことで、
一日入院することになった。
医療通訳から何か食べた方がいいと言われ、食堂で何かもらってくると彼女は消えて行った。
しばらくして出てきたのはインスタントヌードルだった。
夜遅かったために病院の食堂も閉まっていたらしく、夜勤の看護師からもらったのだという。
私は未だにこのインスタントヌードルの味が忘れられない。
色んなヌードルを試したが、この時のヌードルとはまだ出会えていない。
この入院は散々なものだったが、何らかの感染病だとか重症でなかったのは幸運だった。
海外在住者は一度は体調不良で入院することがあると言われている。
聞いた話だとデング熱とか生カキとかフォーにあたったとかみんな結構重症である。
健康に越したことはないが、衛生環境が悪いベトナムで暮らすとなると、
日本人はすぐに体調を崩しやすいのである程度の覚悟は必要である。
この入院後、私は風邪をひいた。
院内が乾燥していて寒かったせいかもしれない。
熱は下がったが、風邪をもらうという…本末転倒だ。
補足:女性には特に注意してもらいたいが、私はベトナムで暮らし始めてから生理が二ヵ月止まった。
今まで不順ではなかったのに急に来なくなりびっくりして、何かの病気かと疑った。
たぶん自分では気が付いてない無意識なストレスがかかっていたのだと思う。
身体は繊細だ。異国で暮らすとなると身体はびっくりするらしい。
こういう事例もあるということで。参考まで。