駐在員VS現地採用不毛論
駐在員と現地採用どちらがいいのかなどと、よくインターネット上でも触れられている。
よく現地採用はやめた方がいいだとか、駐在員が見下してくるだとか散々なことが書かれている。
確かに間違いではない。そういう事例も聞く。
しかし、一つの事例や経験から全てがそうだなんて視野狭窄にはなってほしくない。
私の方でもその違いについて説明したいと思う。
まず、駐在員
・日本から会社の辞令によって海外に出向されている(自分の意思で来たわけではない)
・本社からの出向なのでそれなりの結果や責任が求められる。
・出向のため、海外手当や住居手当などの給与面では現地採用よりも潤っている。
・任期が決まっている場合が多い。(出向先が気に入ったとしても居続けることは難しい)
そして、現地採用
・現地の法人から直接雇用されている。
・自分の意思でその国で働くことを決めた。
・駐在員と比べると給与や手当など待遇面で劣る。
・任期が決まっていないため、どれだけ勤めるかは自分次第。
条件だけの羅列だが、大体の違いはこうである。
駐在員によっては現採だからと見下す事例もあるようだが、
どっちが偉いとか劣っているとかそういうものは優劣をつけるものではない。
ただの働く条件が違うだけで、そこで能力や待遇面で差別するのはまた別問題だ。
私は現地採用が駐在員よりも給料が低めに設定されているのは当たり前だと思う。
自発的に働きに来た現採と受動的な理由で来た駐在員ならば、
辞令で来ている駐在員に手当をつけるのは相応である。
会社の頼みで出向されたのにもかかわらず手当もつかないなんて、ただのブラック企業だ。
現地採用はあなたは自分の意思でこの待遇であることを理解した上で働いているんでしょう??と暗黙の了解で、給与設定をされていると思う。
しかし、それにしたって腐っても日本人なので現地人と同等レベルの給与しかもらえなかったり、観光ビザで延々と働かされたりするのは真っ黒もいいところの超ブラック企業だ。
今の現地採用の給与相場は20代で大体1500~2000USDくらいである。
これに特殊技能や経験が加わると給与がアップする可能性もある。
現地採用の求人は待遇がピンキリで、会社のトップの考え方によって、大きく左右される。
現地採用でもいろんな手当がついたり、アッと驚くような給与をもらっている人だっている。
だから、現採は駐在の小間使いだーとか相当ひどい待遇を受けたと訴えている人はたまたまその会社が悪かっただけで、さも全ての現地採用を憎んでいるような言い方をするのはどうなのか。
現地採用が批判されるのは、待遇面や保障面でどうしてもないがしろにされがちだからだ。
結論から言うとお金も欲しくて、保障も十分あって、何の心配もせずに海外で生活したいというならば駐在員を目指せばいいし、
お金ではなくやりたいことを優先、日本に帰るつもりはないから保障に関しても気にしないというなら現地採用で勤めればいい。
自分が海外生活をする上で何を優先したいのかを考えれば自ずと答えが見えてくる。
最近日系の会社でもコストカットとして現地採用を募集する場合が増えているのは事実だ。
今後現地採用という働き方が今以上に増えてくるだろう。
昔は高待遇で外国に社員を送り込むことが善しとされていた時代があったが、
今は確実に時代の流れが変わってきている。
早く駐在員VS現地採用とかいう不毛な論争が終わるのを願っている。