走って転んで立ち上がって

寂しさの紛らわし

びっくり!当たり前??ベトナムの生活・文化について①

 

 

私が来越して間もない頃、驚きと発見がたくさんあった。

最近はその違和感が当たり前として自分の中で浸透している。

 

今回は初心に帰るべく、ベトナムスタンダードについて考察した。

 

 

 

ベトナムの青色ボールペンの謎

 

私が最初不思議に思ったのは、ベトナムのオフィスで青色ボールペンが公式で使われている事だった。

どういうことかというと、日本は文書で黒色のボールペンを使うことが常識とされているが、ベトナムでは青色で記入することが公式なのだという。

 

なぜかというと書類は黒字印刷してあるため、

印刷物と認識間違いがないように手書きのサインは青色でするというのだ。

 

最初違和感を感じていたが、今では普通に青色を使っている。

日本から持ってきた4色ボールペンも青色インクの消耗が激しい。

だから、ベトナムでは青色ボールペンは必需である。

 

 

お昼寝文化

 

ベトナムで働き始めた初日の昼休み。

オフィスでは電気が消され、空いたスペースでは御座を敷いてベトナム人が横たわっているではないか!

 

その光景に私はギョっとしてしまった。

 

日本ではオフィスの床で横たわるなんてありえないからだ。

 

最近短時間の仮眠は作業能率が上がるということで机に突っ伏して仮眠をとっている日本人は見たことがあったが、

御座を敷いて寝るという本格的な昼寝は見たことがなかった。

 

衝撃ではあったが、今ではベトナム人ってどこでも寝られるんだなぁ…と思って気にならなくなった。

 

オフィスで横になれるのは何とも羨ましい。

 

 

VATとレッドインボイス

 

赤い領収書と呼ばれる「hóa đơn」。

会社で物を購入する時に必ず必要だと口を酸っぱくして言われた。

これはどういうことかというと、

 

まずこのVATとは、ベトナム国内における物の販売やサービスの提供並びに外国貨物の輸入に対して課される税金であり、日本の消費税に近い税金である。

 

基本税率は10%だ。納税者は事業を展開している法人や個人、団体に適用される。

 

ベトナムで事業を営む場合、事業者は必ずこのレッドインボイスを発行しなければならない。

このレッドインボイスは政府公認の公式領収書であり、発行には支払側の税コードが必要になる。

つまり、ベトナム国内法人が設立されていない限り公式領収書は発行できず、発行側もこの税コードを持っている法人であることが必要である。

 

市場や屋台、個人商店などは税コードを持っていないためレッドインボイスは発行できず、ただの一般的な領収書では税務機関から損金計上が認められない。

 

レッドインボイスが発行できない事業者からサービスや物を購入した場合は法人所得税の算定上、費用計上が損金として認められず課税所得が大きくなってしまうのだ。

 

これらの問題を防止するためにできる限り、レッドインボイスが発行できる事業者から物やサービスを買うように言われていた。

会社によっては特定の人物しか発行できないよう定めている所もあるらしく、購入してすぐその場で発行はできずに郵送となることが多々あった。

 

しかし、いつまで経っても届かなかったり、途中で行方不明になってしまったりと今ではこのレッドインボイス集めに奔走させられている。

 

 

飲食店ではテーブル会計がほとんど

 

日本でもこのスタイルはよくあるが、ベトナムではテーブルで会計となる。

 

日本では伝票をレジまで持っていって支払いを行うことも多いが、

ベトナムでレジはフードコートやコンビニ、スーパーで見かけても飲食店で客から見えるところには置かれているのは少ない。

 

支払う時はtính tiền!というと伝票を持ってきてくれる。

そして伝票ホルダーにお金を挟んで店員に渡すとおつりが返ってきて支払完了となる。

 

ベトナムではテーブルで支払うスタイルが普及している。

日本の自分で伝票を持って行って支払うスタイルが珍しく感じるようになった。

日本では高級店だとテーブルチェックが当たり前だが、ベトナムではローカルレストランでさえテーブル会計である。

 

少し支払いに時間はかかるが、自分の席で待機できるので余裕ができるから私はこのテーブル会計の方が好きである。

 

ただ、カード払いになるとどういう風に手続きされているのかわからず怖い。

もしかしたらスキミングされているかもしれないし、偽カードを渡されて盗まれるかもしれないし。

よっぽどの大金じゃない限り、ベトナムでは現金で支払った方が安全だと思う。

 

 

お手拭きは有料!

 

飲食店で何気なく出されるお手拭き。

着席すると、本当にスッと店員がお手拭きをテーブルに置いていくのだ。

 

お手拭きが来た~と思って使ってしまうと…飲食料金におしぼり代がプラスされている。

 

そう、これは日本のように無料で使えるのではなく、1枚2,000VND≒10円 なのである。

 

日本料理店だと布製のきちんとしたおしぼりが出てきて、無料だったりするが、

ローカル店はほとんど有料なので、私はウェットティッシュをいつも持参している。

 

香草をちぎったり、ライムを絞ったり手を使うことが多いので、ウェットティッシュを持っていると何かと便利だし、節約になる。

 

旅行で短期滞在ならおしぼり代も微々たるものだが、長期滞在の場合は節約もかねてなるべく持参するのが良いと思う。

 

また、香料もめちゃくちゃ匂うし、殺菌効果は薄いように感じる。

 

 

食事中煙草は吸わない。

 

これも不思議なことにご飯を食べながら煙草を吸うベトナム人を全然見かけない。

 

ベトナム人の喫煙率は決して低くはないし、いかにも煙草吸ってそうなおじさんでも飲食店で煙草を吸っているところを見たことがない。

ローカル店でも食べ終わるとさっさとバイクで帰ってしまう。

 

しかし、バイクタクシーに乗っている時に信号待ちしていると結構な割合で喫煙し始めるベトナム人男性がいる。

 

ベトナム人の知り合いにこれはどういうことかと尋ねてみると、

レストランなどの公共の場所では喫煙が規制されているらしく、路上は規定がないので外で吸っている人が多いとのことだった。

 

また、女性が煙草を吸うのはとても悪印象とのことで、風俗嬢などを除き一般女性が煙草を吸うことはほとんどないという。

 

ベトナムでは煙草は男性が吸う物という意識が強いらしい。

 

 

ティッシュはトイレに流さない。

 

日本の下水道のように設備が頑丈でないので、パイプの老朽化などによって格段に詰まりやすくなっている。

だから、ベトナムの大便所ではティッシュは流さず、トイレ横に設置されているゴミ箱に捨てることが常識だ。

 

ティッシュのクオリティも高くなく、水に濡れるとすぐボロボロになる。

水質汚染防止の観点からもベトナムのトイレでは何も流さないようにしよう。

 

 

ホテル宿泊時はパスポートを預ける。

 

これはベトナムの規定で、ホテルは公安に宿泊客の情報を提出することが義務付けられている。

ホテルによってはコピーを取ってすぐ返却してくれるところもあるが、安宿などは受付に預かられる場合がある。

 

ただ、パスポートを使用したい旨を伝えれば一時的に返却してくれる。

ずっと預けなければならないわけではないので、安心だ。

 

チェックアウトの時返却してくれると思うが、稀に忘れる人もいるのでその時は自己申告しよう。

 

ちなみにベトナムでは未婚の男女が22時以降密室で一緒にいる事は法律で禁じられている。

宿泊する場合は結婚証明書等双方が配偶者であることの証明が必要になる。

 

 

 帰りの航空券を入国審査時に提示

 

ベトナムではビザなし滞在は15日以内と決まっていて、確認のため旅行目的で来越した際には帰りの航空券を入国審査官に提示しなければいけない。

 

e-ticketの印刷物を見せるのが一番手っ取り早い。

 

これが提示できなかった場合は別室送りになり、最悪入国できなくなるので十分注意したい。

 

ベトナムは形式主義なので、それっぽい紙を見せるかみせないかで対応が大違いだ。

たぶん、内容はそんなに重要じゃない。

帰りの航空券を確認することに意味があるのだ。

 

ベトナムのある意味体裁だけ整わせるようなところはちょっとイラッとする。

 

 

牛乳は加糖がスタンダード

 

スーパーでもコンビニでも牛乳を買おうと陳列棚を見てみると、

同じメーカーでも似たデザインの牛乳が数種類並んでいる。

若干の色違いはあるが、何が違うのかぱっと見わからない。

 

私はまだ来越して間もない頃、何の気もなしに牛乳を買って飲んでみたら…

 

甘い。

コーヒー牛乳並みに甘いじゃないか!

 

えーなんでやねん。と一気に萎えてしまった。

日本で売っている牛乳で甘いものはほとんどない。

カルシウム配合や低脂肪などの成分調整牛乳はよく見かけるが、

加糖された牛乳というのはほとんど見ない。

ましてや加糖か無糖かはヨーグルトくらいしか見たことがない。

 

しかし、ベトナムでは加糖牛乳が普通に売られている。

しかもパッケージが激似なので、よく確かめて買わないと間違える可能性大だ。

何か端っこに加糖と無糖がベトナム語で表示されてるし…

分かりにくいっちゅうねん。

 

ベトナム人は甘いもの大好きなので、飲料に含まれる砂糖量が半端ない。それは牛乳も例に漏れなかったようだ。

陳列棚では加糖牛乳の方が少なくなっているので、ベトナム人に加糖牛乳は人気らしい。

 

基本的にベトナムの牛乳は無糖でもあまりおいしくない。

日本の牛乳と比べて薄いというか、旨味がないというか…

 

あと、日本でよく売ってる成分無調整のパック牛乳を扱っている店が非常に少ない。

牛乳コーナーでよくあるのは加工乳だ。

脱脂粉乳に乳脂肪や他成分を配合させているらしく、

生乳と比べるとかなりクリーミーな味がした。

 

ベトナムの乳製品トップメーカーはビナミルク(Vinamilk)で

至る所にビナミルク製品が売られている。

 

ただベトナムは酪農産業自体がまだまだ未熟で、生乳の希少性が高いという。

だから、こちらで生乳を飲む機会はとても少ないのだ。

 

日本に帰ると明治のおいしい牛乳をかぶ飲みする。

牛乳ってやっぱりのどごしとコクだよなぁとビールらしからぬコメントを思いながら飲み干すのだった。

 

 

すごく長くなってきたので2部に分けます。